学校の近くでフクミちゃんに会ったので、「黒丘もえについて、何か警察に連絡は行っていますか?」と訊いてみると「え?なにッスか?モエちーに何かあったスか?死んじゃったスか?殺人事件ッスか?今のところ署には何も連絡ないッス!」と言った。

事務所としてあまり大事にしたくないということだろうか?警察に捜索依頼などは行っていないようだ。

「そういえば、モエちーって何かあるとすぐ海に行ってたっスよね。あれってなんなんスかね?何かを沈めに行ってたんスかね?死体ッスかね?何か事件の匂いしないッスか?」

フクミちゃんが続けて不穏なことを言うので「死体を沈めるんじゃなくて、気分を鎮めに行ってたんだと思うッス!」と元気よく返しておいた。

  

「誰がうまいこと言えって言ったッスか!」


フクミちゃんはゲラゲラと笑いながら「そういえば、ゴージャスくん今日誕生日ッスよね?じじいへの階段また1歩おめでとうッス!」と、唐突にお祝いの言葉をくれた。

 

なんでこの人は一言多いのだろう。でも悪い人ではない。誕生日はちゃんと祝ってはくれているのだと思う。

あなたはお礼を言ってその場を去った。

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